株式と債券の最適な比率|米国への投資期間20年の場合を紹介
2017年から投資をしている30代の経済的自由太郎(@KRHBm9tMvIlF6He)です。
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超長期に投資を行う場合、株式100%がもっともリターンがいいことは歴史的に明らかです。
ただし、投資の目的や期間によっては、リターン最大よりもリスクを最小にしたり、ローリスクハイリターンを目指したり、下落率をなるべく少なくしながらもそこそこのリターンを狙いたかったり、いろいろなパターンがあるはずです。
特に下落率を下げながらそこそこのリターンを狙うというのは、リセッション時の狼狽売りを防ぐ有効な対策と言えます。
以前は比較的短い、投資期間10年の場合をまとめましたが、この記事では、つみたてNISAの期間である、残りの投資期間20年の場合を考えてみます。
具体的には「リターン最大」「リスク(標準偏差)最小」「シャープレシオ最大」「ソルティノレシオ最大」となる確率が高い米国株式と米国長期国債の比率を検討していきます。
過去データからの検討のため、未来を予測している訳ではありませんが、資産配分の決定に役立てると思います。
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1.株式と債券の最適な比率【投資期間20年の場合の結論】
米国株式と米国長期国債の1978〜2019年の過去データを用いた最適な比率の結論は上表です。
ETFで言うと「VTI」と「TLT」の組み合わせです。
(米国長期国債「TLT」と「BND」や「AGG」は全然別物ですので注意)
データは2000年〜2019年、1999年〜2018年、・・・・、1979年〜1998年、1978年〜1997年の23グループを検証しました。
23グループに対して、「リターン最大」「リスク(標準偏差)最小」「シャープレシオ最大」「ソルティノレシオ最大」となる株式比率を見ていき、数えた結果です。
株式比率は10%ごとに見ています。
合わせて1978年〜2019年の間にその比率にした時のドル建ての最大ドローダウン(最大下げ率)を載せました。
投資期間が20年とつみたてNISAと同程度の期間においても、リスクを考慮すると債券を入れたほうがいいという結論です。
しかも株式比率30〜40%の方がリスクとリターンの関係を改善でき、一番良いという歴史です。
10年の時よりもこの比率が発生する確率が高く、再現性が高くなりそうです。
リターンを重視する場合においては、やはり株式比率を100%にした方が確率が高いのは事実ですが、その確率は10年の時よりも減っています。
上昇時には株式100%がいいもしくはレバレッジをかけ始めるものですが、実際には個人個人で目標額・投資期間・リスク許容度があります。
下降時に自分のポートフォリオがどの程度下落する可能性があるかは計算で想定できます(年率平均リターンー3×標準偏差)。
資産配分を決定する時には必ず下降時にどれだけ下がる可能性がありそうかを見積もるようにして、この程度の下落が耐えられるのかをきちんと評価しましょう。
では次からはそれぞれの比率結果を詳しく見ていきます。
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2.株式と債券の最適な比率【投資期間20年の場合の根拠データ】
ここでは「リターン最大重視」「リスク最小重視」「シャープレシオ最大重視」「ソルティノレシオ最大重視」の1つ1つの項目についてデータを見ていきます。
2-1.株式と債券の最適な比率〜リターン最大重視〜
上グラフが1978年〜2019年での投資期間20年の23グループに対する株式比率とリターン最大回数の関係です。
結論でも書いた通り、株式比率100%にすれば、リターンが最大になる確率が高いです。
とは言っても実際は26%と約4回に1回と確率は低めです。
しかも6回のうち4回はリーマンショックを含まないタイミングでした。
この結果を考察すると、リターンを最大にしたい人でも、リーマンショック級のリセッションを想定する場合は、債券を多少入れておいた方がいいという事です。
しかし、基本的には株式を厚めにもっておいた方がいいのは間違いないので、株式比率70〜90%の間で決定するのがいいと経済的自由太郎は考えます。
ただし、下の表のような最大ドローダウン時(ドル建て)に狼狽売りしない事が前提です。
最大ドローダウン時に自分が狼狽売りしそうだな・・・と思う人は無理しない方がいいです。
狼狽売りしてしまうとリターンを押し下げてしまうからです。
正直に言いますと、この結果は意外でした。
経済的自由太郎は基本的にリターンを最大化したかったら、株式100%にすべきという考えの人間でした。
今回の検討により少なくとも投資期間20年以下の人には、米国長期国債を多少入れる事をおすすめしたいと思います。
2-2.株式と債券の最適な比率〜リスク最小重視〜
上グラフが1978年〜2019年での投資期間20年の23グループに対する株式比率とリスク最小回数の関係です。
ここでいうリスクとは標準偏差、つまり平均リターンからのばらつきです。
ばらつきが小さければ、平均リターンになる確率が高くなります。
一番回数が多いのは、株式比率30%の時で、圧倒的に数が多いです。
そして、1978年〜2019年の間は、100%の確率で株式比率20〜40%の間に収まりました。
コロナショックの暴落暴騰に狼狽している人は株式比率20〜40%の間にしておくと、睡眠時間を減らさず、健康に過ごせると思います。
ちなみに1978年〜2019年の間で、投資期間10年の時も株式比率20〜40%の間に約97%の確率で収まっていましたので、再現性が高いと言えそうです。
2-3.株式と債券の最適な比率〜シャープレシオ最大重視〜
上グラフが1978年〜2019年での投資期間20年の23グループに対する株式比率とシャープレシオ最大回数の関係です。
シャープレシオとはいわゆる、リスクに対してリターンが効率的かどうかを測る指標です。
シャープレシオが高ければ、リスクあたりのリターンの効率がよくローリスクハイリターンとなります。
一番多いのは株式比率40%の時で、約87%の確率で株式比率30〜50%の間に入ります。
超長期では株式比率60%が一番シャープレシオが高いので、株式と債券は60:40で持つと良いということが信じられていますが、投資期間が短くなってくるとそうならず、株式比率を下げた方が投資効率がよくなりそうです。
ただし、もちろんリターンは犠牲にする必要がありますので、ご利用は計画的に!ですね。
ちなみに可変レバレッジドポートフォリオはシャープレシオ最大のところでレバレッジをかけるという手法です。
超長期のシャープレシオ最大の比率で考えているので、株式と債券比率60:40のところでレバレッジをかけています。
投資期間が永遠ではなく、20年くらいの人にとっては30〜50%の比率にしてレバレッジをかけた手法にするとより投資効率がいいポートフォリオにできるかもしれませんね。
ただ真似するのではなく、可変レバレッジドの考えをある程度理解できると上のように応用できます。
これは投資に限らず、人生での基本ですね。
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2-4.株式と債券の最適な比率〜ソルティノレシオ最大重視〜
上グラフが1978年〜2019年での投資期間20年の23グループに対する株式比率とソルティノレシオ最大回数の関係です。
ソルティノレシオはあまり聞きなれない人が多いかもしれません。
投資の世界でのリスクとは標準偏差のことだというのはある程度わかっていると思います。
標準偏差は、上にも下にもばらつきます。
でも、皆さんもそうだと思いますが、上にばらつく方は嬉しいですが、下にばらつく方は辛く目を背けたくなりますよね?
ソルティノレシオは、上にばらつくリスクを無視して、下にばらつくリスクとリターンの関係を測る指標です。
下落を怖がる人間にとっては、ソルティノレシオを参考にした方が安全に資産運用できそうです。
一番多いのは株式比率30%の時で、約87%の確率で株式比率20〜40%の間になります。
シャープレシオの時より株式比率を10%分下げた区間がいいようですね。
コロナショック(仮)で落ち着かなかった人は株式比率を20〜40%まで下げると比較的健康に過ごせるのかもしれません。
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3.株式と債券の最適な比率(投資期間20年)のまとめ
結論を再掲載すると、下表になります。
データ上は上のようにすると確率が高くなりますが、上記を踏まえて投資期間12年の場合の経済的自由太郎のオススメを下に書いておきますね。
下落の事は無視でリターン重視:株式比率100%
下落は怖いけどリターンがなるべく欲しい:株式比率60%
下落が怖いのでリターンそこそこでよい:株式比率40%
下落が怖く自分の資産額の減りを見たくない:投資をやめ、副業でもして入金力を上げる
まず前提として、よほどの天才でない限り、株価が下落するタイミングや上昇するタイミングを言い当てることは不可能です。
常日頃から暴落するから現金比率を高めていて、暴落したタイミングでイキっている人もいますが、今回はたまたま暴落しただけであり、その時期を正確に言い当てられた人はいません。
暴落する暴落すると言っておけば、いつかは当たりますから、時期を言い当てられない以上いうこと自体が無意味です。
ではどうするか?
暴落が来てもいいように備えておくことが重要ですね。
(そういう意味では暴落おじさんは正解なのかもしれませんが、別にフルインベストメントの人をディスる必要は全くない)
経済的自由太郎は、「現金で持っていると勿体無い」「リターンを上げたかったらリスクをとるのが当たり前」と思っている人間なので、少しでもリターンを上げたい人種のようです。
ただ、取らなくてもいいリスクは別にとる必要がないと思うので、債券を組み入れるというのはいい選択肢だなと思います。
債券を入れて著しくリターンが下がる訳ではなく、時期によっては株式100%よりもリターンを得られることが多い訳ですし。
先にも書きましたが、経済的自由太郎は基本的には株式100%が一番リターンがいいだろうと思っていた人種です。
しかし、可変レバレッジドを通じて、株式と債券の比率を検討していく中で、考えが変わってきました。
有限の人生、有限の投資期間(長くても40年くらい)しか取れない私たちは、超長期のデータだけでポートフォリオを決めるのは実はあまりよくないのでは?とさえ思っています。
この記事を見て、債券も選択肢の一つだと思ってくれると幸いです。
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